弁護士ドットコム株式会社 Creators’ blog

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SRE 2 年生の悩みと未来への展望

SRE 2 年生の悩みと未来への展望

この記事は弁護士ドットコム Advent Calendar 2024の 18 日目の記事です。

前日は @takky さんの「サマーインターンシップ2024」でした。

弁護士ドットコムは新卒採用を始めました!
学生のみなさんが入社後のイメージを持っていただけるような、実践的なインターンシップを行っていて素晴らしい取り組みだと思いました。
そして、私自身も「貢献していければいいな」と思っています。

いろんな世代の方が、いきいきと仕事をしている職場っていいですよね。

はじめに

こんにちは!弁護士ドットコム SRE 室の原口です。F1が大好きです。

今年はマックス・フェルスタッペンの独走で始まり、ランド・ノリスの追い上げなどもあり非常に楽しいシーズンでした。来年も素晴らしいレースを見せて欲しいです!

さて、アドベントカレンダーですが昨年も記事を書かせていただいたので、2年連続の参加となります。こういうイベントごとが大好きなので来年も参加したいと思います。

ちなみに、昨年は以下の記事を執筆していますので、よろしければ合わせてご覧ください。

creators.bengo4.com

今回の内容は

私は、2023 年 4 月から SRE 業務に当たっています。そこで、「SRE 2年生の悩みとポストモーテム」として、 悩んでいることや日々の取り組みについて書いてみたいと思います。

同じような悩みを抱える SRE の方々や 「SRE になってみたいけど、何をしているんだろう」なんて方に少しでも何かを感じ取ってもらえればうれしいです。

2 年目で感じている悩み

悩める SRE 2年生

SRE になる前の私は、プロフィットセンター *1 で働いていました。

いろいろな考え方はあると思いますが、一般的に SRE はコストセンター *2 であるという認識があるかとおもいます。

私たち SRE 室は、いろんな部門のメンバーとのコミュニケーションをとって円滑に開発作業が進むようにしたり、トイルの削減やオブザーバビリティを取り入れた監視の強化などを行っています。

業務を重ねるごとに SRE の重要性を少しずつ感じていますが、以前ほど直接的な事業貢献をしていると感じることが少なく、いろいろと悩んだ 1 年間でした。

今年を振り返ってみると、「SRE とは何なのか?何をすべきなのか?どうあるべきなのか?」ということを考えることが多かったです。

「考える」と言っても私自身はネガティブになっているわけではなく 「どうしたら、もっと貢献できるかな」 と前向きに悩んでいるところです。

SREとして会社に貢献する方法

会社にとっての直接的な貢献といえば、おそらく売り上げを伸ばすことだと思います。
新しいプロダクトを作って公開したり、既存のプロダクトに新機能を出してユーザーを増やしたり、といったことはわかりやすい貢献になるのではないでしょうか。

SRE だと、リソースのコストを抑えたり、トイルを削減したりといろいろと工夫をすることが多いですが、それはあくまで「削減」であり、直接的な貢献とは言えないかもしれないと考えていました。

結局「信頼性」の確保!

いろいろと思い悩みましたが初心に立ち返り、 SRE としての基本である「信頼性」の確保 を通じて、会社に貢献する方法がよいのではないかと考えました。

開発チームの方を中心に、時にはビジネスサイドの方ともコミュニケーションを取りながら、信頼性を向上させ貢献できるようなチームになることが SRE の王道だと考えたからです。

最近読んだ本の中にも「SRE はあくなき共同作業」との記載が数多くあり、 関係各社が協力しながら信頼性を確保していくのはとても大切だと感じていてコミュニケーションをたくさん取ることを心がけました。 www.oreilly.co.jp

ただし、あまりにコミュニケーションの事ばかりを考えると、1 日の作業を振り返ったときに 「今日はチャットしかしていない気がする・・・」 と少し悲しい気持ちになる場合があるので、チャットの通知をOFFにして自分の作業に集中する時間も必要だと思いました。

具体的な対応

一言に「信頼性」といっても、いろいろな対応があると思いますが、私はとにかく 「本番環境の信頼性向上」 にフォーカスしての信頼性の向上を行うような業務を行うことにしました。

具体的には毎日 30 分ほどかけてじっくりと クラウド監視ツールを確認し、将来的に脅威となりそうな信頼性低下の「兆し」を見つけだすことに注力しました。

  • 各リソースのメトリクスの確認
  • CDNやロードバランサーWAFのログ
  • 利用しているクラウドサービスの新機能確認

「なんか変なアクセスがたくさん来ているから対策を考えないと」とか「このリソースは過剰だから削減できるか確認しよう」とか「全然足りてない!よく動いているな、急いで対応案を考えなきゃ!」などなど、問題を発生させない、問題が発生する前にこっそり対応できるようにすることを目標にしています。

コストも一緒にみるとおもしろい

余談ですが、AWS の Cost Explorer も一緒に眺めてみると、 「もっと安く、性能は高いっていう奇跡のような代替案があるじゃん!」 というようなことも見つけることがあるので、とても楽しいです!

このように、信頼性を向上させることで、開発チームのみなさんも安心して開発に取り組める環境を作ることが、会社への貢献になっているのではないかと考えています。

イベントに登壇してみた!

貢献についていろいろ悩んでいると、社内の担当者から「イベントがあるから登壇してみない?」とお誘いをいただきました。
社内外に情報を発信するのも、貢献の一つだろうということで参加させていただきました!

teratail.connpass.com

最初は 5 分の LT と聞いていたような気がするのですが、気がつけば 20 分ほどお話をさせていただきました。
SRE としてまだまだ未熟な私ですが自分が持てる武器をつかって貢献していく物語となっておりますので、よろしければ会わせてご確認ください。

speakerdeck.com

登壇するのはとっても緊張しますね。スマートウォッチで自分の心拍数を確認すると 150 を超えるような数字も出ていました。

登壇前の心拍数は 157 BPM を記録
登壇前の心拍数

イベントに登壇するにあたって準備の大切さと大変さ、そして身体への負担を知ることができて、登壇されている方への尊敬と感謝の気持ちを新たにしました。

まとめ

振り返りと今後のアクションプラン

最初の 1 年は各パブリッククラウドのコンソールにログインして何かを設定したり、ターミナルでなにか作業をするだけで楽しく作業できていました。

2 年目は SRE としての会社への貢献 について悩みながら、いろいろな試行錯誤をしていました。

3 年目は SRE への理解を深めより貢献できるようになるとともに、ちゃんと成果を上層部へ伝える作業もやっていこうと思っています。

そして、来年こそはアプリケーションのコードを書いて貢献できるように準備したいと思っています!

悩みを通じて得た気づき

このような悩みを持つことができるのは、 SRE として重要な文化「非難しない」「トイルの削減」など SRE としての第一ステップはクリアできていて、組織と個人が次のステップに進むための悩みだと感じました。

今思えば SRE になりたての頃はターミナルでコマンドを実行したり、パブリッククラウドのコンソールでいろいろ触るだけでとても楽しく満足していましたがそれでは物足りなくなってきたということです!かなりの進歩です!

SRE としてもっともっと、いろいろなことに チャレンジしていきたいと思える環境 にある証拠だと思って少しうれしくなりました。

「SREとして、どのように会社に貢献していますか?」「SREの仕事のやりがいは何ですか?」など同じ SRE として業務に当たっている方への質問したいことがたくさんあります。 もし、少しでも気になったら SNS などでコンタクトを取っていただけるとうれしいです!

このアドベントカレンダーを通して、SRE という仕事の面白さや、チームで働くことの大切さを少しでも伝えられたらいいな と思いながら終わりたいと思います!

おわりに

弁護士ドットコムではいろいろなポジションのエンジニアを募集をしています。
ぜひ一緒に働いてくれる方のご応募をお待ちしております!

hrmos.co

*1:直接的に利益を生み出す部門

*2:直接的な利益を生み出さない部門