
こんにちは。クラウドサインのサーバーサイドエンジニアの山下(秀)です。 クラウドサインの機能開発に加え、全社のエンジニアリングオフィスとして、インターンシップの運営なども担当しています。
年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。私はおせちを注文し、美味しい料理を頬張りながらゆっくりと過ごしておりました。
2025 年も、2024 年・2023 年と同様に 8 月と 9 月の 2 回、エンジニア職のインターンシップを開催いたしました。各回 1 週間という期間でしたが、今年も意欲溢れる多くの学生の方々に参加していただきました。
過去(2023 年、2024 年)の様子は、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
本記事では、2025 年のインターンシップにおける狙いや、活用した技術要素についてまとめてご紹介します。
- インターンシップで行ったこと
- インターンシップの課題意図・狙い
- インターンシップのコンテンツ
- 今年の新コンテンツ
- 技術要素
- インターンシップで工夫した点
- Merge-Request (MR) によるコミュニケーション
- まとめ
インターンシップで行ったこと
今年のインターンシップのテーマは「クラウドサインが提供する API を利用して、クラウドサインを模した簡易システムに機能追加を行う」というものでした。
サーバーサイドやフロントエンドの実装に加え、DB へのカラム追加、外部 API の呼び出しなど、Web 開発における一通りのプロセスを体験していただきました。
また昨今は AI を利用した開発が主流になりつつありますが、今回のインターンではあえて AI 利用を禁止としました。自分の手でロジックを考え、コードを記述する「オーガニック・コーディング」を通じて、エンジニアとしての基礎体力を養ってもらうことを重視しました。

インターンシップの課題意図・狙い
今回の課題には、大きく 2 つの狙いがありました。
- 要件定義から実装までのプロセスを学ぶ
- 単に「言われたとおりに作る」のではなく、要件を整理し、システムとしてどうあるべきかを自ら考えて進めてもらうことを意図しました。
- アーキテクチャへの理解
- 社内の一部システムでも採用されている「クリーンアーキテクチャ」の構造を開発リポジトリに反映しました。構造の意図を汲み取りながら実装することで、実践的な技術知見を持ち帰ってもらうことを狙いました。
インターンシップのコンテンツ
開発体験
Web エンジニアの日常を疑似体験できるよう、実務と同様に「チケット」から実装方針を立て、レビューを経てマージするフローを採用しました。 今年は昨年の課題と比較して難易度を 2 倍以上に引き上げています。課題内容をあえて抽象的にし「システムとしてどう実装すべきか」という答えを伏せることで、学生の思考量を最大化させました。
チーム開発体験
デイリースタンドアップ、モブプログラミング、メンターとの 1on1 ふりかえりを実施しました。 多くのチームで採用している「スクラム」のエッセンスを取り入れるなど、実際の現場での働き方をイメージしてもらえるようにしました。
勉強会 / 新卒座談会
社内で利用している技術を紹介する勉強会に加え、2025 年入社の新卒社員との座談会を開催しました。 実は今年、2023 年のインターン経由で入社してくれたメンバーがいます。学生と年齢の近い先輩との対話を通じ、よりリアルなキャリアの悩みや現場の疑問に回答できる場を目指しました。
今年の新コンテンツ
学生との1on1ふりかえり
昨年の課題として「ふりかえりが個人の中で閉じてしまい、学びが最大化できていない」という点がありました。また新卒社員へのヒアリングでも「メンターとの密な FB(フィードバック)ループが体験を向上させる」という声があったため、今年は以下の新コンテンツを導入しました。
- 毎日30分の1on1ふりかえり
オンラインホワイトボードツールの「FigJam」を活用し、メンターと学生が KPT 形式でふりかえりを行いました。
- 学生の学びを最大化する
- 困りごとを早期にキャッチアップする
- 弁護士ドットコムの社員の人柄を知ってもらう
これらを目的に、交流と学びのループを強化しました。

技術要素
利用した技術スタックは以下のとおりです。
- コンテナ環境: Docker
- サーバーサイド: Go 1.24.x / echo v4 / クリーンアーキテクチャ
- フロントエンド: TypeScript / Next.js (App Router / React Server Components)
- UI: shadcn/ui
実績のある Go や echo をベースにしつつ、フロントエンドでは社内での採用が増えている Next.js を取り入れました。またアーキテクチャとしてクリーンアーキテクチャを導入したのが大きな特徴です。
インターンシップで工夫した点
メンターによるサポート体制・FBループの強化
課題の難易度を上げた分、メンター陣を増員し、毎日の 1on1 を実施するなどサポートを厚くしました。密なコミュニケーションにより、社風や社員の解像度を高めてもらいました。

Merge-Request (MR) によるコミュニケーション
昨年と同様にチーム開発を行なっていないのですが、 その代わりにチーム開発するうえで大切なコミュニケーションという部分を実感してもらう必要があると考えました。 タスクの完了時には MR を出してもらい、社員エンジニアがレビューをしてやり取りしました。 これにより実際の開発の流れの一部、実際のレビューと同じようなコミュニケーションを体験してもらうことができました。
クリーンアーキテクチャの実践
学生の皆さんが普段の開発ではなかなか触れる機会のない「クリーンアーキテクチャ」をリポジトリ設計に取り入れました。 依存関係の方向性やレイヤーごとの責務など、最初は戸惑う学生も多かったですが、事前に用意した資料やメンターのサポートを通じて「なぜこの設計が必要なのか」を体感してもらいました。

クラウドサインAPIを利用したシステム開発
自社サービスである「クラウドサイン」の API を実際に叩き、書類情報の取得や送信機能を実装しました。 外部 API の仕様書を読み込み、認証トークンの扱いやエラーハンドリングを実装するなど、現場相当の経験を得てもらうことを意識しました。 また実際のサービス API を使うことで、プロダクトへの理解も深めていただきました。
まとめ
8 月・9 月の開催を通じ、参加した学生の皆さんからは大変好評なフィードバックをいただきました。
- 「クリーンアーキテクチャや実サービスの API を使えて、学びが多かった」
- 「モブプロで他の学生の視点を知ることができて刺激になった」
- 「メンターのサポートが手厚く、たくさん交流できた」
一方で「1 週間でクリーンアーキテクチャを理解して実装するのは非常にタフだった」という意見もあり、我々にとっても課題設定の難しさという良い学びを得ることができました。
来年度の形式は未確定ですが、より良い体験を提供できるようアップデートしていく予定です。 参加いただいた学生の皆様、サポートしてくれたメンターの皆様、本当にお疲れ様でした。
来年度もよろしくお願いいたします。