弁護士ドットコム株式会社 Creators’ blog

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デザイナーのリモートワーク環境でのオンボーディングを振り返って

こんにちは、弁護士ドットコム株式会社デザイン部の門倉(@kuroinu123)です。弁護士ドットコムには2022年12月に入社し、現在でちょうど6ヶ月が経ちました。今回、初めてリモートワーク環境でのオンボーディングを経験したので、弁護士ドットコムのオンボーディングの進め方を紹介しながら、自身の振り返りをまとめたいと思います!

入社前に感じていた不安

前職では毎日オフィスに通って対面で業務を行っていましたが、新型コロナウイルスの影響で途中からリモートワークに切り替わりました。

既にリモートワークの経験があったので、新しい職場でのデザインやコーディングといった業務そのものに対する不安はほとんどありませんでしたが、以前の職場ではリモートワーク導入前からメンバーとの関係性が築かれていました。今回はリモート環境での入社およびオンボーディングであったため、これまでと同じように円滑なコミュニケーションが取れるのか、という点には若干の不安がありました。

しかしながら、実際にオンボーディングを終えてみるとその心配は全くなかったなと今では感じています。

弁護士ドットコムのオンボーディングの流れ

まず、弁護士ドットコムのオンボーディングの目的は、入社後のオリエンテーションで次のように案内されます。

スライド画像: 入社後に案内されるオンボーディングの目的

組織への定着や、パフォーマンスの最大化という会社からの期待と、本人の価値発揮・貢献の実感や会社で達成したいことを実現できるか、その環境を会社・組織・上司・人事が一体となって整備することが目的です。

また、入社から3ヶ月はオンボーディング期間とされており、この期間は、人事による全社的なオンボーディングをベースに、各部門やチームによるオンボーディングも行われます。

スライド画像: 全社オンボーディングの位置づけ

部門・チームによる組織単位でのオンボーディングと、人事が担当する全社でのオンボーディングがあります。事業の全体像や業務、組織文化を把握するのが組織単位でのオンボーディングです。これに対し、全社でのオンボーディングの位置づけとしては、会社の成り立ち、経営理念、組織体制といった全体像や人事制度などの仕組みの把握と、PCなどのツールのセットアップの実施となります。

次に、オンボーディングの大まかなスケジュールです。 約2週間は組織の理解や役割の把握、その後の2ヶ月半はパフォーマンスを高めるための期間として設けられています。

スライド画像: オンボーディング制度について

オンボーディング制度は活躍の基盤づくりとなる2週間と、活躍の確度をあげる2ヶ月半で構成されています。入社初日から2週間でオリエンテーションやオンボーディング面談を行い、後述するKnowWhoによる1on1やマネージャーとの定期的な1on1、サポーターによるサポートを受けながら組織へのフィットを目指します。残りの2ヶ月半も引き続きマネージャーとの1on1を行い、能力開発目標設定などを行います。この間も、人事部門からの定期的な入社アンケートによるサポートも行ます。

実際の取り組み内容と印象に残った点

オンボーディングの目的は会社の全体像の把握や業務へのスムーズな取り組みをサポートするなど、様々な要素がありますが、今回は特に印象に残った点をまとめました。

KnowWho

弁護士ドットコムにはKnowWhoと呼ばれる取り組みがあり、こちらがとても印象的でした。 KnowWhoは、新入社員が所属組織のメンバーや関わりのある人と30分程度の1on1を行う相互理解の場です。

具体的な流れは以下の通りです。

  1. 事前に候補に上げられたメンバーのリストを確認する
  2. Slackで各メンバーと日程調整し、Googleカレンダーに追加する
  3. 当日はGoogle Meetを使用してビデオ通話で1on1をする

メンバーとの初めての会話でも、自己紹介、お互いの経験や趣味、得意領域やON/OFFの場面で大事にしていること、といったテーマが用意されていたのでスムーズに進めることができました。

私は以前の職場ではWebのフロントエンド開発とデザインの業務を行なっておりましたが、KnowWhoで1on1をしたデザイナー達も皆コードを書き、デザインへの深い知識があると感じとても刺激を得ました。実際に業務を開始してからも、この時に話したことがきっかけでデザインや技術の相談などもしやすくなったので、とても良い機会だったと思います。

また、弁護士ドットコムでは情報共有サービスのesaを使用しています。入社してすぐにesaで自身の経験や趣味といった自己紹介ページを作成します。各社員がこの自己紹介ページを持っているので、KnowWhoの前に確認し、相手との共通点を見つけて会話できるといった仕組みがあるので、話題に困ってしまうこともありませんでした。

チーム全体でのミーティングはほぼ毎日ありますが、メンバーと一対一で話す機会はなかなかありません。 早い段階でメンバーと関われると、その後の業務でのコミュニケーションもより円滑になりますし、チームビルディングの促進に役立つので、とても良い取り組みだと思いました。

Slackのハドルミーティング

ハドルミーティングはSlackの機能の一つで、音声によるコミュニケーションを簡単に開始することができます。ワンクリックで通話を開始できるためビデオ通話よりも手軽に開始でき、また、必要に応じて画面共有をすることも可能です。このハドルミーティングの活用もとても印象的でした。

リモートで働き始めた直後は、他のメンバーが現在何をしているのか、声をかけても良いタイミングなのかわからない…と感じあることがありましたが、オンボーディング期間中にサポートしてくれたマネージャーはハドルミーティングをオープン(常時待機)にしてくれ、「いつでも入ってきて良いですよ!質問でも何でもどうぞ!」と気にかけてくれました。

また、例えばコーディングのための開発環境構築をする際、Slackのチャンネルで「開発環境構築に挑戦します!」とスレッドを作成して進捗状況を書いていると、詰まってしまった時にコメントでマネージャーやエンジニアがサポートをしてくれたり、テキストで伝えるのが難しい場合はハドルミーティングに切り替えて、会話や画面共有をしながら問題を解決していけたのもとても助かりました。

また、その他にもデザイナー同士の交流の場として、ハドルミーティングを使用した週4回の夕会と、Google Meetを使用した週1回のデザイナー定例があります。これはオンボーディング施策とは別に行われているものです。

前職では、私一人でデザイン業務を担当していたので、他のデザイナーと情報共有をしたり、デザイン業務で困っていることについて話す機会がありませんでしたが、デザイナー同士の夕会でこれが実現できました。また、デザイナー定例では各施策の取り組みについて共有し合うため、業務に活かせるアイデアや、課題解決のためのヒントも得ることができ、とても心強かったです。

定期的な1on1の場

初めの1ヶ月間は、毎週、マネージャーとの1on1ミーティングがあります。これは、活動プランシートを元にした進捗状況の把握や相談事項の解消、オンボーディング期間中のゴールに対する成果のイメージが一致しているかを確認するものでした。

こちらも基本的にはGoogle Meetを使用して行ったのですが、プライベートな空間での1on1にはビデオ通話はとても適していると感じました。ビデオ通話を活用することで、直接会話をしながらも必要な情報を共有できますし、業務上の問題も効率的に解決でます。顔を見ながら会話ができるのでリラックスした雰囲気で自由にコミュニケーションを取ることができました。

実際、業務における不安や困っていること以外にも、これまでにどのような場面でモチベーションが高くなったか、どのような強みを伸ばしていきたいか、将来的にどのようなキャリアを目指していきたいか、といったテーマもフラットに話しました。このような会話を通じて、早い段階から業務への取り組み方など自身の考え方や強みの発見などを意識する機会が多くなったと感じています。

部門での1on1に加え、オンボーディング期間中には人事室より定期的にアンケートが実施されます。アンケートでは、サポートの充実度や入社後の期待値との相違がないかをチェックするための項目が含まれています。些細なことでも共有できる場として提供されており、チームや部門だけでなく、会社全体でサポートをしてくれていることを実感する機会となりました。

ドキュメントに残す文化

その他に、オンボーディング期間中にわからないことがあった際も、さまざまなテーマに関するドキュメントが充実しており、とても役に立ちました。

例えば、施策についてのドキュメントは概ね以下のようなフォーマットで作成されております。

  • 施策名
  • 施策の目的や背景
  • 計画
  • 仮説や検証方法
  • 成果指標
  • キャプチャ
  • 関連するesaのリンク

特に、新しく担当するプロジェクトに関しては、それぞれの施策の目的や、どのような流れで機能の改善に至ったのかなど、esaで確認できるのでキャッチアップに役立ちました。

また、施策や議事録のみならず、ツールの使用方法、開発環境の構築から主要Gitコマンドの解説といったノウハウ系まで幅広くまとめられているので、質問によってマネージャーやメンバーの手を止めてしまうのではないか…といった心配もせずに済みました。(もちろん、いつでも声をかけてね!と言っていただいたので、必要な時は遠慮なく質問させてもらいました!)

ノウハウ系ドキュメントの例: git作業の流れ・コマンド一覧。最初に覚えるべきお約束、作業に必要な基本知識、作業するアプリといった情報がまとめられています。

とはいえ、オフラインのコミュニケーションも侮れない

これまで手厚いオンボーディング体験について振り返りましたが、難しさを感じた点もありました。

1on1や交流の場といった話しやすい環境を設計されており、自身の考えを伝える上で支障はありませんでしたが、それでも、個人的には実際に対面で会って話す方がより親しみを感じるので、コミュニケーションが取りやすかったです。

同じ空間で一緒に業務をすることで刺激を受けることができますし、休憩時間中のちょっとした会話があるだけでも自然と交流が生まれ、それをきっかけに仕事がしやすいと感じることも多く「雑談は侮れないな〜」と感じました。

なお、弁護士ドットコムではシャッフルランチ(ディナーも可)という制度を活用し、任意参加者同士でランダムにグループを作り食事をすることができますし、部活動もあります。これらを活用することで、プロジェクト外での交流を積極的に深めることができます(私も入社してからほぼ毎月シャッフルランチ制度を利用させていただいています!)

まとめ

以上がオンボーディング期間を通じて感じたことです。全体的に、コミュニケーションを大切にし、話しやすい環境を作ること、そしてそこから業務で活躍できる土台を構築することを大切にしていると強く感じました。

リモートワーク環境では、相手の表情や行動が見えにくいことがあり、特に新入社員にとっては孤立してしまう恐れがあるかと思います。そんな状況も、このような施策により回避することができたと思います。

弁護士ドットコムではクリエイター職を中心にリモートワークが行われていますが、もちろん出社も可能ですので、リモートとオフィス出社をバランスよく掛け合わせるなど、うまく融合させることでよりパフォーマンスが出せるのではないかと思います。

以上が私が入社した2022年12月から3月までのデザイン部におけるオンボーディング施策の振り返りでした。ありがとうございました!