はじめに
クラウドサインのサーバーサイドエンジニアもやっている吉田です。 また全社のエンジニアリングオフィスとしてインターンシップや新卒研修と行った採用・育成面を担当しています。
記事でも紹介されているとおり、2025 年 4 月 1 日に新卒 5 名の方を迎えました。詳しくは「弁護士ドットコム、初の「入社式」を開催。新入社員に込めた熱い想いと未来への誓い。」をご覧ください。
新卒を受け入れたからには、エンジニアとして活躍できるように育成していく責任があります。 その第一歩として、新卒研修を実施しました。
研修ステップ
新卒研修は 3 ステップで、4 月〜7 月の 4 か月間にわたり実施します。
- 社会人研修
ビジネスマナー、コンプライアンス、会社理解 - エンジニア技術研修
技術基礎・演習(本記事で詳述) - 事業部の仮配属研修
各事業部をローテーションし実務に取り組む
本記事では、4 月第 2 週から 5 月末まで行ったエンジニア技術研修の内容を紹介します。 (ここでは研修資料そのものは公開せず、サマリー形式でお届けします)
研修目的
エンジニア技術研修では、以下を目的としました。
- 活躍できるエンジニアとなるための基礎固め
- 自走力の育成
- 設計・実装・運用まで考え抜く
- 将来性を見据えた保守性・拡張性のある設計力
- チームで協調して開発する力
- 開発系 AI ツールの効果的な活用方法
研修内容
上記の目的を達成するために研修と実践の 2 段階に分けました。 研修に関しては、以下のとおりです。
- エンジニアの心構え
- 各事業部の技術的な話
- フロントエンド基礎(HTML, TypeScript , Vue, Nuxt)
- サーバーサイド基礎(Golang)
- アジャイル開発基礎(アジャイル研修基礎、スクラム研修)
- インフラ基礎(AWS 基礎、MySQL 基礎)
- エンジニア基礎(開発系 AI ツール、Web アクセシビリティ、Web アプリケーションセキュリティ)
実践に関しては、以下のとおりです。
- TODO アプリケーションの実装
- 個人開発研修
- チーム開発研修
- システム開発研修
エンジニアの心構え
- CTO 田中によるエンジニアの心構えについて講義してもらいました。
- 「良い」エンジニアとはどのようなものかを中心にエンジニアとして活躍していくうえでの大切な点について伝えていました。
各事業部の技術的な話
- 弁護士ドットコムやLegal Brain エージェント、クラウドサインといった当社サービスの技術スタックを紹介しました。また SRE が担うインフラの仕組みも共有しました。さらに、今後の改善アイデアについても各事業部のエンジニアに語ってもらいました。
フロントエンド基礎
- HTML解体新書 の著者である太田が、HTML の基礎的な考え方や「良い」HTML とはなんであるかについて講義しました。
- TypeScript 研修では、基本的な型システムや型推論から学び始めました。また型ガードや null 安全などを使った安全なコード記述方法や Generics など高度な手法を、実際に手を動かしながら段階的に学べるようにしました。
- Vue.js / Nuxt は宣言的 UI や仮想 DOM、Vue.js の基本概念を学び、その後架空のサービス実装を通して実用的なフロントエンド開発ができるようにしました。
サーバーサイド基礎
- 私やクラウドサインの開発エンジニアで Golang の研修資料を作成しました。
- 以下のような順番で Go の研修を行いました。
- A Tour of Goで紹介されている文法部分を簡単に振り返り
- generics についての説明と演習
- Go で SQL を取り扱うために、database/sqlの説明
- SQL の取り扱いの応用として、O/R マッパ(gorm)を使用
- 簡単な HTTP サーバーの起動のためにnet/httpの説明
- 応用としてフレームワークecho を利用したアプリケーション開発
- Go でのテストについて
- 「良い」Go のコードとはという観点でGo Code Review CommentsとEffective goの紹介
アジャイル開発基礎
- 主にアジャイルソフトウェア開発宣言とその歴史的背景について学ぶ
- ワイクル株式会社に依頼して、ブロックを用いたスクラム研修
- SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発を輪読し、スクラムについての基礎固め
インフラ基礎
- MySQL について基礎的な SQL が書けることを目的にした研修の実施
- AWS を利用することが多いので、実際にプロダクトとして利用している AWS の各サービスの紹介
- AWS Cloud Quest でクラウドプラクティショナーレベルの基礎を自主学習
- AWS が開催している AWS JumpStart 2025 のワークショップで理解度の引き上げ
エンジニア基礎
- クラウドサインではWebアクセシビリティ についても取り組んでおり、プロダクト開発の際に意識ができるようにアクセシビリティの基礎的な知識・スキルの習得をするための研修を実施しました。
- クラウドサイン問わずセキュアなプロダクトを会社としては提供していくために、Web アプリケーションセキュリティの基礎知識についての研修を実施しました。
- Cookie の基本的なことから最近追加された機能を含めての説明や脆弱性の種類について幅広く網羅されていました
- 開発系 AI ツールの基礎 では GitHub Copilot, Cursor, Claude Code といったツールを一通り体験しかつ社内で定義した AI 活用レベルとの対応までを学ぶ
ここまでの基礎研修を進めつつ、演習として以下を行いました。
技術の定着のため、演習では開発系 AI ツールを使用せずに実装してもらいました。
TODOアプリケーションの実装
- 言語を覚えたらまずはここからということで、TODO アプリケーションの実装を学んだ技術を使って実装してもらいました。
個人開発研修
- 7 日間で 1 つのアプリケーションを一人で設計から実装までやり切る経験を積むことと、自分のアイデアを形にできるというところを目的に個人で 1 つ Web アプリケーションを作ってもらいました。
- 個人用の予算・出費管理や社員の自己紹介をまとめた Web アプリケーションなどさまざまなアイデアが形となっていました。
チーム開発研修
- 新卒 5 人が 1 チームとなり、1 つの Web アプリケーションをアイデアから設計・実装までを 7 日間で手掛ける研修を実施しました。
- 目的として
- チームで、1 つの Web サービスを作る という体験をする
- 自分達でテーマに沿った Web サービスを考えて、作るという経験を積む
- 作ったものをわかりやすく説明する をあげて開発をしてもらい最終日には成果発表会を行いました。
システム開発研修
- 実際のプロダクトとほぼ同じようなアプリケーションを、実務と同じような粒度のチケットから実装するということを行いました。
- レビューに関してもプロダクト開発を行なっている現場のエンジニアからフィードバックを受け取り、少し苦戦しているようでした。
まとめ
- 弁護士ドットコムでは、2025 年入社の新卒エンジニア 5 名を対象に、エンジニア技術研修を実施しました。
- この技術研修を通じて、新卒エンジニアは実務に直結する知識とスキルを身につけ、仮配属研修や本配属での活躍に向けた準備ができました。
- 研修で得た基礎を土台に、本配属後に、経験を積み活躍していってほしいと考えています。