弁護士ドットコム株式会社 Creators’ blog

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アイディアを形にするために「Vibeコーディング合宿」やってきました

はじめに

LegalBrain事業本部でPdMを担当している吉岡です。

最近、LegalBrain事業において「アイディアは増えるのに、プロトタイプにして検証するところまで進まない」という課題を抱えていました。

毎週事業責任者やプランナーなど少人数で新規事業企画会を開催し、アイディアフラッシュを実施しているため、アイディアは増えていくのですが、それをプロトタイプとして形にする時間がなく、Notionにアイディアメモだけが溜まっていく日々。

一方で、昨今Vibeコーディング系のツールが登場し「とりあえず形にする」だけなら以前よりずっと簡単になりました。ただそれらのツールを使うと、それっぽいものはすぐにできますが、検証可能なプロトタイプへと磨き込むノウハウがない、という課題も浮き彫りになっています。

今回の記事では、これらの課題を「合宿」を行い解決した話をご紹介します。

合宿で「作る時間」を強制的に確保する

手つかずのアイディアが溜まる一方で価値検証に進めないという状況に、私は悩んでいました。時間を取って解決策について考え始めたのが2025年の夏頃です。

溜まっているアイディアをベースに、Vibeコーディングツールでプロトタイプを作る時間を強制的に設けるため、合宿の開催を決意しました。

合宿にした理由は、集中して作業する時間を強制的に確保するためです。

時間確保だけなら会議室でも可能ですが、日常の割り込みが入ると崩れやすくなります。物理的に環境を変えた方が、集中しやすいと考えたのです。 また、LegalBrain事業本部では泊まりがけの開発合宿や企画合宿を実施したことがなかったため、チームビルディングの観点からも良い機会だと思いました。

合宿場所の選定にもGeminiをすることで時間短縮でき、AIツールによる業務効率化を肌で感じたりもしました。

Vibeコーディングは便利だが、磨き込みが大変

今回、合宿のテーマは「アイディアからプロトタイプを作る」としましたが、企画設計を進める中でVibeコーディング特有の難しさが見えてきました。

Vibeコーディングは短いプロンプトでもそれなりのものを作ります。ただ、見た目は整っていますが、価値検証に使うにはさらに磨き込まないと使い物にならないレベルのものが生成されがちです。

修正指示をAIにプロンプトで依頼すると、どんどん劣化してしまうケースが多く、このアプローチには課題があると感じました。

この課題を解消するため色々と調査したところ、プロンプトに最初から詳細な情報を過不足なく投入すれば良いことが分かってきました。

初期プロンプトに十分な情報を記載できるよう、アイディアを膨らませて企画書・PRDに必要な情報を書くための手順書を作成しました。

この手順書に沿って作業することで、顧客セグメント、顧客課題、提供価値、解決策、コスト構造、競合優位性などを一通り書くことができます。

初回に指示するプロンプトを詳細化することで、価値検証可能なプロトタイプが生成できるようになります。

アイディアフラッシュからプロトタイプ作成用プロンプトを作成する手順スライド

また、プロトタイプが実際のプロダクトデザインシステムを参照して生成されるように、UIデザイナーに協力していただいて、FigmaMake参照用のデザインシステムファイルを作成いただきました。

実施した合宿の模様

しっかり準備をしてきて、2025年11月、ついに合宿本番です。京浜急行・三浦海岸駅から徒歩10分くらいのところにある「マホロバ・マインズ三浦」で実施しました。

合宿参加者の範囲はLegalBrain事業に関わる社員とし、時間の都合がついた方9名。ビジネス職の方、プロダクト企画職、デザイナー、エンジニアという様々な職能のメンバーが集まりました。

今回の合宿の流れですが、一泊二日で時間に余裕があったため、一日目は企画の作り込みに集中して中間発表を行い、二日目はVibeコーディングでプロトタイプ作成に集中してもらいました。 最後に発表プレゼンを行い、プロトタイプの内容とプレゼンから1位・2位・3位の受賞者を発表するという形式で実施しました。

発表内容そのものは非公開ですが、プロンプト文を作り込んでツールに初回投入し作成しただけあって、かなりレベルの高いプロトタイプが集まりました。

マホロバ・マインズ三浦
作業風景
ホテル内レストランで晩ご飯
プロトタイプ発表の模様
充実した合宿でした

合宿を実施してみて

今回、特に印象的だったのは非エンジニアの参加が多く、コードを書いたことがないメンバーでも、精度の高い「動くプロトタイプ」を作れたのは大きな成果でした。

また、プレゼン形式での発表だったので、エンジニアやデザイナーなど普段そういった業務をしていない人のプレゼンを聞くのが新鮮で良かったですし、良い機会だったと思います。

プロトタイプ作成は加速しましたが、その後の価値検証(ユーザーに当てる、学びを整理する、意思決定につなげる)は依然として負荷が高いままです。次はこの領域の改善に取り組みたいと考えています。

その課題が解消したら、第二回のVibeコーディングハッカソンを企画すると思います。イベント内容もさらに磨きをかけていきたいと思います。