弁護士ドットコム株式会社 Creators’ blog

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テックブログを生成AIにすべて書いてもらうことはできるのか

こんにちは。 弁護士ドットコムのこがです。

みなさん、生成 AI はお好きでしょうか。 現在、弁護士ドットコムではさまざまな生成 AI を活用した開発を推進し、開発業務の効率化を図っています。

本記事では、テックブログを生成 AI にすべて書いてもらうことができるのか、というテーマについて深堀りします。

生成AIにブログを書いてもらうまでの道のり

今回、実際に私の個人のブログでプロダクト開発における情報設計の模索という記事をすべて AI に書いてもらいました。

使用した生成 AI は、Gemini 2.5 Flashです。

生成 AI に記事を書いてもらうといっても、さまざまな方法があります。私は生成 AI にインタビューをしてもらうことで、私が書きたい内容について深堀りしてもらいました。

まず、はじめのプロンプトを見てみましょう。

今から私と情報設計についてブログを書くために会話をしましょう。

最後に私が「今までの内容でブログを書いてください。」というので、それまで会話をします。

最終的にはMarkdown形式のブログを作成します。

まずは、私が書きたい内容を共有します。

・情報設計に興味を持つまでの歴史

・UIにおける情報設計と自分に落とし込んだ情報設計

・モデルベース開発に似たなにか

・目指す姿

このような感じです。会話の中で変わっていくこともあります。

続いて、Gemini の回答を見てみましょう。

はい、情報設計についてのブログ作成、お手伝いさせていただきます。

上記の内容を軸に、深掘りしたり、具体的なエピソードを交えたりしながら、魅力的な記事にしていきましょう。

それでは、まず最初のテーマである「情報設計に興味を持つまでの歴史」についてお伺いします。

情報設計という言葉や概念に初めて触れたのはいつ頃で、どのようなきっかけでしたか?

また、それ以前はどのようなことに興味を持っていたのか、情報設計との関連性などがあれば教えていただけますか?

上記のような会話から、ブログ執筆に向けてインタビューは開始します。 この後も Gemini との対話は続きます。

Gemini との会話はだんだん形を帯びていき、下記のような返答が返ってきます。

  • 私の回答に対しての同意
  • 回答の要点整理
  • 次の会話への質問
  • 次の会話への質問の回答例の提示

ここで、会話の途中の Gemini の回答を見てみましょう。

それでは、この流れを受けて、次のテーマについて深掘りさせてください。

UIにおける情報設計と自分に落とし込んだ情報設計」について。

現在のあなたは、情報設計をUI/UXの特定のフェーズに限定せず、より広範な概念として捉えているように見受けられます。この「自分に落とし込んだ情報設計」とは、具体的にどのようなものでしょうか?

  • UI/UXの文脈での情報設計と、あなたの考える情報設計の間にどのような違いや共通点を見出していますか?

  • 「情報の整理」や「モデル化」といった要素が、具体的なプロダクト開発や組織の中でどのように活かされていると感じますか?

  • もしかしたら、「情報設計」という言葉自体に、従来のイメージとは異なる意味合いを付与しているのかもしれません。その点についてもお聞かせいただけると幸いです。

対話が続きやすくなるように、さまざまな考えられる視点で質問を投げかけてくれます。

このように対話を続けていくことによって、記事に盛り込むと面白そうな私の思考を深堀りしてくれました。

おかげで、Gemini との会話を始めてから記事の完成まで 1 時間程度で書き上げることができました。

生成AIでは不十分だった部分

記事が完成したとはいえ、まだまだ生成 AI で書いた記事にも足りない部分はいくつかありました。 記事自体は、いちおう意味の通る文章になっています。しかし、リンクにしたい場所がリンクになっていなかったり、英語の専門用語を日本語に言い換えてしまっている箇所がありました。専門用語に関するコンテキストが十分に渡っていなかったため、本来はカタカナのまま扱うべきものを翻訳してしまっていたようです。

生成AIの "不気味の谷"

ところで、みなさんは記事に対してなにか感じませんでしたか。

そう、AI臭です。ロボットの世界では不気味の谷という言葉がありますが、生成 AI にもまだまだ不気味の谷が存在すると感じています。

下記の画像を見てください。

明らかにChatGPTが生成したであろう、ブログを書いている女性のイラスト

だんだん馴染みがでてきて、なんとなく ChatGPT が生成した画像だと人間がわかるようになってきました。

生成 AI が書いた記事もどことなく、生成 AI が書いたと分かります。

同僚数名に聞いてみても「思考はこがさんが書きそうなことなんだけど、口調がこがさんじゃない(笑)」と言われました。

何がそうさせるのかというと不思議ですが、口調や使わない言い回し、どことなく感じる海外のような言い回しなどがそうさせているのかと思いました。

例えば下記の文章は、 私としては違和感を覚えました。

私の情報設計の模索は、まだ道半ばです。しかし、この探求の先に明確なビジョンを描いています。

...

この模索の旅は続きますが、情報設計の持つ無限の可能性を信じ、これからもその深化と普及に尽力していきたいと思います。

私が書くよりも遥かに壮大なスケールを思い浮かべて書いてくれています。

記事のタイトルに「模索」とあるように、模索を旅として捉えて記事を書いてくれているのでしょう。

生成AIの "不気味の谷" は超えられるのか

この生成 AI で書いた記事の 不気味の谷 は超えられるのでしょうか。

ということで、生成 AI に頑張って不気味の谷を超えてもらいました。

先ほどの引用文章を Gemini に、私の他のブログを参考に口調を変えてくださいという指示を出しました。

私の情報設計の模索は、まだ道の途中です。でも、この探求の先には、とても明確なビジョンを描いています。

...

この模索の旅はこれからも続きますが、情報設計の持つ無限の可能性を信じて、これからもその深化と普及に尽力していきたいですね。

上記以外にも、〜なんです。や、〜ですね。など、ゆるい口調になりました。

同様に ChatGPT にも投げてみました。

情報設計っておいしいの?

まず、タイトルを変えてきました。 この先が不安です。

情報設計の旅、まだまだ続くので 「それ分かる!」って人はぜひ絡んでください。

それでは、情報を制する者がプロダクトを制す! またね〜👋

ChatGPT ではギャルみたいになりました。

おそらくプロンプトへの指示次第ですが、生成 AI の文章から生成 AI 臭さを取り除くことは、簡単ではなさそうです。

AI臭さ を取り除くためにの textlint ルールも存在します。

github.com

これらを活用すれば、ある程度解決するかもしれません。このツールでも言及されていますが、現状ではやはりどことなく海外の言い回しをそのまま日本語にしたものが多く見受けられます。

(実際にルールを適用してみましたが、今回は特に検出されませんでした)

おわりに

本記事は 100%手動で書いています(笑)

今回対象とした記事はコードの出現はなく、一種のポエムのような散文となっています。もっとコードに対して言及するような記事では、自然になる可能性もあります。

今回のようにケースによっては、100%生成 AI に任せるのは難しいこともあります。しかし確実に時代は変わってきているのを感じています。

弁護士ドットコムには Claude Code、Cursor、Cline をはじめ、多くの生成 AI を使用して開発できる環境があります。 これからもさまざまな場面で生成 AI を活用してプロダクト開発をおこなっていきます。